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【決める経営】を実行するために必要なこと

「あなたは、いま何を決められずにいますか?」

このブログを読んでくださっているということは、おそらく今、何か一つ「決めきれていない課題」を抱えているのではないでしょうか。

例えば、

  • ・新しい事業に投資するかどうか
  • ・組織体制を大きく変えるべきか
  • ・幹部人材を抜擢するべきか
  • ・赤字事業を整理するべきか

経営の現場では、このような意思決定が日々求められます。

 

そして多くの経営者と話していると、次のような言葉をよく耳にします。

「やるべきことは分かっている。でも決めきれない」

あるいは、

「決めたつもりでも、どこか迷いが残る」

 

もしそうした感覚があっても、それは決して珍しいことではありません。

むしろ経営とは、常に「不確実な状況の中で決断を求められる仕事」です。

 

このブログでは、

「経営者の決断力」について、実務的な視点と内省の視点の両方から整理していきます。

読みながら、ぜひご自身の状況と重ねて考えてみてください。

 

このブログを読むとわかること

  • 1.経営者の仕事は「決断」である
  • 2.なぜ経営者は決断できなくなるのか?
  • 3.社長に求められる決断の質
  • 4.決断力を高めるための実践方法
  • 5.決断力強化のための心理的アプローチ
  • 6.決断を後押しするのは「実行力」
  • 7.それでも決められない時
  • 8.まとめ:決断とは「選択」ではなく「捨てること」
  • 9.経営者のための「決断力」セルフチェックリスト

 

筆者プロフィール

砂村 義雄

ステッププラス・コーチング&コンサルティング代表、エグゼクティブコーチ

国内外企業での30年の勤務経験を活かし、経営者・管理職の課題解決・目標達成にコーチングで伴走。中小企業診断士・MBA・国際コーチング連盟(ICF)プロフェッショナルコーチ(PCC)

 

1.経営者の仕事は「決断」である

 

(1)決断とは何か:責任を引き受けること

一般に「決断」とは「複数の選択肢の中から一つを選ぶこと」と考えられます。

しかし経営の文脈では、もう少し深い意味を持っています。経営における決断とは、

『選択の結果に責任を引き受けること』です。

 

経営には必ず不確実性があります。市場は変化し、顧客のニーズは移り変わり、未来は完全には予測できません。つまり経営者は、『正解が分からない中で意思決定をする役割』を担っています。

 

ここで一つ、問いを置いてみましょう。

『あなたは今、どんな不確実性の中で決断しようとしていますか』

 

(2)決断こそ「経営者」の仕事

経営者の役割を一言で表すとすれば、「方向を決めること」と言えるでしょう。

 

例えば、

  • ・どの事業に資源を集中するのか
  • ・どの市場を狙うのか
  • ・どこから撤退するのか
  • ・誰に組織を任せるのか

 

こうした意思決定は、最終的にはトップが決める必要があります。組織は基本的に、決断がなければ動きません。方向が定まらなければ、人は迷い、組織は停滞します。

だからこそ、経営者にとって「決めること」は、日常業務の中心にある仕事なのです。

 

(3)決断しないことも一つの決断

「もう少し様子を見よう」

一方で、これは多くの経営者が口にする言葉です。しかし、この言葉には重要な意味があります。つまり、『今はしない、と決めることも実は一つの決断』です。

 

例えば、

  • ・投資しない
  • ・変化を起こさない
  • ・現状を維持する

という意思決定が、結果として行われています。つまり「しないと決める」ことにも、必ずその続きや結果があります。

 

(4)決断しないことのリスク:先送りのコスト

では、「決断先送り」すると、どのようなことが起こるでしょうか。

 

例えば、

  • ・市場機会を逃す
  • ・問題が深刻化する
  • ・組織が迷う
  • ・経営者自身の心理的負担が増える

 

意思決定の遅れには、必ず「コスト」が伴います。あなたが今、先送りしている課題には、

『どんなコストが生まれているでしょうか』

 

2.なぜ経営者は決断できなくなるのか?

決断の重要性は多くの経営者が理解しています。それでも決断が難しくなる理由がいくつかあります。

 

  • (1)情報が増えすぎている

 現代の経営は情報不足ではなく「情報過多」の時代です。

データ・市場分析・専門家の意見・SNS・業界レポートなど、情報が増えるほど意思決定はむしろ難しくなることがあります。

 

ここで考えてみてください。

『いま本当に必要なのは、情報でしょうか、それとも決断でしょうか』

 

(2)全員を納得させようとしている

経営者は多くの関係者を抱えています。例えば、社員・役員・株主・取引先・顧客などは夫々の立場があり、夫々の意見があります。

 

しかし現実には、全員が納得する決断はほとんど存在しません。つまり意思決定とは、

『何かを選び、何かを捨てること』だからです。

 

(3)正解を探してしまう

多くの優秀な人は、これまで「正しい答えを出すこと」で評価されてきました。

 

しかし経営の意思決定は違います。経営にあるのは唯一の正解ではなく、「仮説を立てる」、そして、それに基づいて「実行して検証する」こと。

 

エグゼクティブコーチである筆者の外資系企業のクライアント。シニアマネージャーの彼は非常に頭の切れる「戦略家」です。様々な角度でシナリオを描き、コーチングセッションの中では色々な道筋を意気揚々と共有してくれます。

しかし「うーむ、このシナリオはここが弱い」「このアプローチはここに障害がある」と、検討をすればするほど「100点満点」を求めるようになっていきます。そして挙句には「やっぱり、この戦略は難しい!」との一言。そこでコーチとしてこう問いを立てました。

『いつになったら戦略が100点満点になりますか』

 

(4)「失敗してはいけない」と思っている

経営者は多くの人の生活を背負っています。例えば、社員・顧客・取引先などが挙げられ、その責任感の重さが、「失敗への恐れ」につながることもあります。

しかし重要なのは失敗を避けることではなく、自らが『学習できる決断をすること』かも知れません。

 

3.社長に求められる決断の質

 

(1)他の役職者との違い

管理職も意思決定をします。しかし社長の決断には特徴があります。それは「影響範囲の大きさ」です。社長の意思決定は、会社全体の方向を変える可能性があります。

 

(2)時間軸(短期 vs. 長期)

また、経営者の決断には「長い時間軸」も求められます。例えば、人材育成・ブランド構築・

新規事業などにおいては短期では成果が見えにくいもの。むしろ長期で大きな価値を生むものです。

 

(3)組織への影響力

そして、経営者の決断は「組織文化」を作ります。社員は経営者の言葉よりも「経営者の意思決定」を見ています。

 

(4)ビジョンとの整合

会社の理念やビジョンは、意思決定を通して初めてその在り様が明らかになります。例えば「挑戦する組織」という理念を掲げながら挑戦した社員を評価しない。これでは理念は機能しません。そこで重要な問いは、経営者であるあなたの決断は、『会社のビジョンと整合していますか』です。

 

4.決断力を高めるための実践方法

では、どのようにしたら決断力を高められるのでしょうか?

 

(1)情報収集:人と会う・話す

意思決定の質を高める最もシンプルな方法の一つは「人と会うこと」です。顧客・社員・

他業界の経営者などとの対話や情報交換は思考の幅を広げます。

 

筆者のエグゼクティブコーチングのクライアントに「決断力」の高い社長がいます。これまで数多の経験をお持ちで、頭脳明晰。そしてやや強引ではあるものの、実行力にも長けています。

ある時コーチングセッションで、人事制度の改変がテーマとなりました。いつもとやや異なり、言葉に少し淀みがあったものの、この社長は「うん、これで行こうと思う。これ以外の選択肢は無いね!」とご自身の決断に自信を見せます。そこで筆者はこのような問いを置きました。

『今回の変更は、社員にはどのように映ると思いますか』

 

(2)意思決定の軸を持つ

また優れた経営者には、「意思決定の軸」があります。例えば、

  • ・ビジョンに合うか
  • ・長期価値を高めるか
  • ・顧客に誇れるか

『あなたの意思決定の軸は何でしょうか』

 

(3)日々の業務で鍛える方法

 決断力は、「習慣によって鍛えられます」。例えば、

  • ・会議では必ず何かを決める
  • ・判断期限を設定する
  • ・任せる意思決定を増やす

小さな決断の積み重ねが、大きな意思決定の力を育てます。

 

(4)不完全な中で決める力

経営において情報が全て揃うことは殆どありません。だからこそ『不完全な情報の中で決める力』が必要です。

 

5.決断力強化のための心理的アプローチ

また決断には心理的側面の影響も大きいです。

 

(1)経営者は孤独に決断する

最終的な責任は、経営者にあります。その意味で、決断は孤独な作業です。従って「孤独ということ」について改めて、自身で整理してみることも重要です。

『何が自分に孤独を感じさせているのか』

『孤独感を少しでも軽くする方法には何があるのか』

 

(2)「全員に支持される決断」は存在しない

意思決定は誰かにとって痛みを伴うことがあります。従って「全員に支持される決断」を求めすぎると、意思決定は難しくなります。

 

(3)不安をコントロールする・感情と向き合う

不安は、意思決定を鈍らせます。しかし不安そのものは、経営者といえども自然な感情です。

大切なのは、『不安とどう向き合うか』です。

また意思決定は、論理だけではなく「感情」も含んでいます。違和感・直感・不安などの感情も重要な情報と捉えて、向き合う姿勢も大切です。

 

6.決断を後押しするのは「実行力」

 決断はゴールではありません、スタートです。重要なのは「決断を実行に移す」ことです。

 

(1)決断と実行はセット

決断だけでは現実は変わりません。実行して初めて結果が生まれます。従って「迷いながらでも進む」という姿勢が最も重要です。

すべての確信が揃うことは残念ながら殆どありません。それでも前に進むことが経営者の仕事とも言えます。

 

(2)経営者の背中が組織を作る

経営者の行動は組織に強い影響を与えます。迷いながらでも進む姿は、時に組織に勇気を与えるものです。

 

7.それでも決められない時

それでも決断できないときがあります。そんなときは『立ち止まって』振り返ってみてください。

 

(1)決められない理由を言語化する

まずは理由を言葉にする、書き出してみることです。そして自分は本当に『何を恐れているのか』と内省することが大切です。

こんな時は多くの場合、決断の背後には「恐れ」があります。

 

(2)自分の価値観を言葉にする

その恐れの向こう側には、経営者の思いや拘り、そしてプライドも隠されているかも知れません。つまり最終的な意思決定は、あなたの『価値観』に基づいているのです。

改めて自分に問うてみてください。『あなたは何を大切にしていますか?』

 

8.まとめ:決断とは「選択」ではなく「捨てること」

決断とは選ぶことでもありますが、同時に『捨てること』でもあります。

 

(1)決断は「論理」と「感情」の統合

意思決定には、論理・感情・経験などの全てが関わっています。

 

(2)決断の質は「自己理解」に比例する

『自分が何を大切にしているのか』それを理解するほど、決断は強くなります。

 

(3)経営者は決断を通して自分を作っていく

経営とは意思決定の連続です。そしてその積み重ねが「経営者自身」を形づくっていきます。

 

最後に一つ問いを置いておきます。

『あなたは今、何を決める必要がありますか』

そして

『それを、いつ決めますか』

 

9.経営者のための「決断力」セルフチェックリスト

ここまで「決断力」について整理してきました。

しかし実際の経営の現場では、理屈では分かっていても迷うことがあります。

そこで最後に、私が経営者との対話の中でよく使う「セルフチェックリスト」を紹介します。

 

今のあなたが抱えている「決めきれない課題」を一つ思い浮かべてください。

そして、次の項目を自分自身に問いかけてみてください。

 

すべてに「Yes」である必要はありません。むしろ どこに迷いがあるのかを言語化すること が目的です。

 

(1)決断の本質と向き合う

□ ①その選択の結果として生じる「責任」を、自分が引き受ける覚悟があるか

□ ②「今は決めない」「現状維持」という選択によって発生している先送りのコストを把握しているか

□ ③「正解」を探すのではなく、不確実な状況の中で仮説を立てて進む準備ができているか

□ ④その決断が会社の長期的な方向性にどのような影響を与えるかを考えているか

 

(2)決断を阻む「壁」を特定する

□ ①「情報不足」ではなく、過剰な情報に振り回されて思考が止まっていないか

□ ②「全員を納得させる」という不可能なゴールを目指してしまっていないか

□ ③「失敗してはいけない」という思いが、決断を遅らせていないか

□ ④問題の本質ではなく、感情的な違和感や不安が意思決定を曇らせていないか

 

(3)意思決定の「軸」を持っているか

□ ①この決断は、会社のビジョンや理念と整合しているか

□ ②短期的な利益だけでなく、長期的な価値を考えているか

□ ③顧客に対して誇れる決断であるか

□ ④自分自身の価値観に照らして納得できる判断か

 

(4)決断を行動に変える準備

□ ①決断した後の最初の具体的な行動が明確になっているか

□ ②誰が、いつまでに、何をするのかが整理されているか

□ ③実行の過程で修正することを前提にしているか

□ ④自分自身がその決断を組織に伝える覚悟があるか

 

それでも迷う時、まだ決めきれない場合は、次の問いを自分に投げかけてみてください。

『本当は、何を恐れているのか』

『この決断を1年後の自分はどう評価するだろうか』

『この決断をしない場合、3年後の会社はどうなっているだろうか』

 

経営とは、意思決定の連続です。そして、その決断の積み重ねが、会社の未来を形づくり、同時に経営者自身を作っていきます。

 

『今、あなたが向き合っている課題は何ですか』

『そしてその決断は、いつ行いますか』

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