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【経営人材を育成・発掘するには?経営人材になるためには?】エグゼクティブコーチが徹底解説!

  • 「経営人材が足りない」
  • 「次の経営を担う人材が見当たらない」
  • 「優秀な管理職はいるが、経営を任せられる人材が育っていない」

皆さんの組織でも、こうした声を耳にすることはないでしょうか。

実際、筆者がエグゼクティブコーチとして経営者・役員・シニアマネジャーの方々と対話する中で、最も頻繁に語られるテーマの一つが「経営人材」です。

 

本ブログでは、

  • ・そもそも「経営人材」とは何か
  • ・なぜ今、経営人材が強く求められているのか
  • ・経営人材はどのように発掘・育成すればよいのか
  • ・そして、自身が経営人材を目指すには何が必要なのか

について、エグゼクティブコーチの視点から、できるだけ分かりやすく整理していきます。

「育てる側」、及び、「目指す側」双方にとって、思考整理のきっかけになれば幸いです。

 

このブログを読むとわかること

  • 1.経営人材とは
  • (1)経営人材の定義
  • (2)経営人材の種類と業務内容(CXO)
  • (3)幹部人材との違い
  • (4)求められる能力・スキル・経験
  • 2.経営人材の発掘と育成
  • (1)経営人材が今、求められる背景
  • (2)発掘・育成・登用の重要性と現代のリーダー像
  • (3)育成のポイント(日本流 欧米流)
  • (4)右腕人材をなぜ育てられないのか(育成の成功例・失敗例)
  • 3.経営人材になるためには
  • (1)経営人材に向いている人・適性の見極め
  • (2)優秀な人材が経営人材になれない理由
  • (3)経営人材になるための道筋・方法論
  • (4)経営人材になることのメリット・デメリット
  • 4.まとめ

 

筆者プロフィール

砂村 義雄

ステッププラス・コーチング&コンサルティング代表、エグゼクティブコーチ

国内外企業での30年の勤務経験を活かし、経営者・管理職の課題解決・目標達成にコーチングで伴走。中小企業診断士・MBA・国際コーチング連盟(ICF)プロフェッショナルコーチ(PCC)

 

1.経営人材とは

(1)経営人材の定義

「経営人材」とは、単に組織上の役職を持つ人ではありません。企業の経営理念や戦略を理解し、自ら意思決定を行いながら、組織全体を持続的に成長させる力を持つ人を指します。

言い換えれば、役職や肩書とは異なる「思考様式(OS)」を備え、「組織の方向性を決め、未来を創る人材」です。責任範囲は、現場の成果管理ではなく、企業全体の価値創出と持続可能性にあります。

一般的には、経営人材とは、

  • ・企業全体の視点で意思決定を行い、
  • ・中長期的な価値創出に責任を持ち、
  • ・不確実性の高い環境下でも方向性を示せる人材

と言えるでしょう。

ここで重要なのは、「優秀な人」=「経営人材」ではない、という点です。

業務遂行能力が高いこと・専門性が高いことと、経営を担えることの間には、小さくない溝があります。

 

つまり経営人材とは、

  • ・部分最適ではなく「全社最適」で考え、
  • ・過去の延長ではなく「未来から逆算」して判断し、
  • ・正解のない問いやトレードオフを引き受ける。

そうした「意思決定のスタンス」を持つ存在と言えるでしょう。

皆さんの周囲にも、「課長としては優秀だが、経営視点を持てていない人」や「将来経営を担うポテンシャルはあるが、自信を持てていない人」がいるのではないでしょうか。こうした人たちを、どのように経営人材へと成長させるかが、今企業に問われています。

 

(2)経営人材の種類と業務内容(CXO)

「経営人材」と一口に言っても、役割は多様です。代表的な経営ポジション(CXO)は以下の通りです。

  • ・CEO(最高経営責任者):企業全体の方向性や長期戦略を定め、最終意思決定を行う。
  • ・COO(最高執行責任者):戦略を実行に移し、事業運営の最適化を担う。
  • ・CFO(最高財務責任者):資金調達・投資・財務戦略を設計し、企業の財務的健全性を維持する。
  • ・CHRO(最高人事責任者):人材戦略・組織開発・カルチャー変革を推進する。
  • ・CDO(最高デジタル責任者):デジタル技術を経営に取り込み、企業変革を牽引する。
  • ・CMO、CTO、CIO:マーケティング、技術、情報などの専門領域を担当する

これらのポジションは、単なる専門領域の責任者ではなく、「経営全体」を俯瞰できるリーダーであることが求められます。

 

(3)幹部人材との違い

なぜ優秀な幹部が経営ポジションでつまずくのでしょうか。

「幹部人材」と「経営人材」は混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。

  • 【観点:   経営人材(幹部人材)】
  • ・視座:    全社・社会(部門・機能)
  • ・時間軸:  中期~長期(短期〜中期)
  • ・成果定義: 価値創造・持続性(数値目標達成)
  • ・意思決定: ルールを創る(既存ルール内)
  • ・不確実性: 引き受ける(減らす)

多くの企業で起きているのは、「幹部として優秀だった人を、そのまま経営ポジションに引き上げてしまう」という構造的なミスマッチです。

結果として、

  • ・決断が遅くなる
  • ・部門最適の論理が強くなる
  • ・経営会議が“調整の場”になる

といった現象が起こります。

 

(4)求められる能力・スキル・経験

経営人材に求められる資質は多岐にわたりますが、代表的なものを挙げましょう。

  • 概念化能力・戦略思考力:経営環境を俯瞰し、長期的な視点で戦略を構築する力。

  • 周囲を動かす力:不確実な状況下で変化を先導し、人や組織を動かす力。

  • 意思決定力:不完全情報の中で最善の判断を下す力。

  • コミュニケーション力:経営理念を社内外に伝え、共感を醸成する力。

  • 自己認識と学習力:自らを省察し、継続的に成長し続ける姿勢。

  • この中でも特に重要なのは「自己認識」です。経営人材は「他者を動かす前に、自分を理解している」ことが前提条件なのです。

 

2.経営人材の発掘と育成

(1)経営人材が今、求められる背景

なぜ今、これほどまでに経営人材が注目されているのでしょうか。その背景には、以下の環境変化があります。

  • ・事業環境の不確実性(VUCA)
  • ・技術革新・市場変化の加速
  • ・人材の流動化・価値観の多様化

「前例踏襲」「成功体験の横展開」だけでは通用しない時代において、考え続け、問い続ける経営人材が不可欠になっているのです。

 

(2)発掘・育成・登用の重要性と現代のリーダー像

経営人材育成の課題は、「優秀な管理職は多いが、経営を担う覚悟を持つ人が少ない」点にあります。リーダーを見出すには、次の3つの視点が重要です。

  • 経営的視野を持っているか(広さ)

  • 組織を動かす影響力があるか(影響力)

  • 本気で学び続ける姿勢があるか(深さ)

現代では指示命令型ではなく、「自律と共創」を促すリーダーが求められています。

部下や同僚と共に学び、挑戦を後押しする「成長促進型リーダー」こそ、次世代経営人材の姿といえるでしょう。

一方、政府・経済産業省は欧米の動きに合わせて昨今、「人的資本経営」というコンセプトを打ち出しています。これは人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方を推奨しているものです。この「人的資本経営」の中では、企業の将来を担う人材像についても少し触れられています。

人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~ (METI/経済産業省)

 

(3)育成のポイント(日本流 vs. 欧米流)

経営人材育成には、文化的背景の違いも見逃せません。以下に日米の傾向を比較してみましょう。

  • 【観点: 日本流(欧米流)】
  • ・育成スタイル:長期的・現場重視(早期選抜・権限移譲)
  • ・キャリアパス:社内ローテーション中心(他社・他業界への越境を推奨)
  • ・育成の主体:会社主導(個人主体)
  • ・成果の評価:経験の蓄積と忠誠心(成果と再現性重視)

 

日本企業の強みは「現場感覚のある実践的リーダー」を育てられる点ですが、一方で「視野の狭さ」「チャレンジ不足」につながる傾向も見られます。

従って、これからは「日本流の温かさ」と「欧米流の合理性」を融合させる育成設計が鍵となります。

筆者が担当したある外資系企業のシニアマネジャーへのコーチングセッションは、将にこのハイブリッドでした。社内昇格でより大きな組織へ異動、大幅な権限移譲と共に比較的短期間で成果を求められる環境変化に直面、ご自身がそのポジションで果たすべき役割を再認識することに焦点を当てたコーチングでした。

 

(4)右腕人材をなぜ育てられないのか(育成の成功例・失敗例)

経営者の方からよく聞くのが、「右腕が育たない」という悩みです。

失敗しているケースとしては、経営者自身の内面に課題があることも多いです。例えば、

  • ・任せると言いながら、最終的に口を出す・指示が細かすぎて相手の思考を奪う
  • ・失敗を許容できない・固定化した成功体験
  • ・経営者が自身の思考を言語化できていない・背中を見て学べ

一方、成功しているケースの共通点は下記の通りです。

  • ・判断基準を共有している・決定権の一部を完全に委譲する
  • ・意図的に修羅場を経験させている
  • ・定期的に内省の場(対話)を持っている

筆者のコーチングの現場でもよくお伝えしますが、「育てる」のではなく「育つ環境を整える・修羅場を与える」ことが重要なのです。

また、次世代経営者を育成するというテーマで筆者が担当したコーチングセッションでは、経営者と右腕人材との距離に留意しました。後継者は経営者の複製である必要はありません。むしろ経営者は後継者を先ずは信じ、後継者が自ら考え、悩み、決断するのを少し離れたところから支援し見守る。このような姿勢が重要であることを経営者に認識してもらうコーチングとなりました。

 

3.経営人材になるためには

(1)経営人材に向いている人・適性をどう見極めるか

経営人材適性のある人は、特別なカリスマ性を持つ人ではありません。 むしろ、「自分の限界を認め、学ぶ意欲を持ち続けられる人」です。つまり能力より「姿勢・スタンス」の視点が大切です。

次のような特性を持つ人は、経営人材としての素質があります。

  • 現状を疑い、常に問いを立てる。
  • 職務範囲を超えて課題を考える。
  • 他者の成長に興味がある。
  • 自分の意思ではなく、組織の目的で行動できる。

このような姿勢を持つ人こそ、リーダーとして周囲を自然と巻き込んでいきます。

 

(2)優秀な人材が経営人材になれない理由

一方で、優秀でありながら経営層になれない人もいます。その理由は、スキル不足ではなく「マインドセットの欠如」にあります。

典型的なパターンは次の通りです。

  • ・完璧主義:全てを自分で抱え、決断を遅らせる。
  • ・短期志向:目の前の成果に集中し、中長期戦略をないがしろにする。
  • ・対話不足:周囲との信頼関係が薄く、孤立しやすい。

経営は、正解のない世界で決断を下す仕事です。優秀さよりも、「不確実性を受け入れる強さ」が重要なのです。

 

(3)経営人材になるための道筋・方法論

経営人材になるためには、以下の3ステップを意識しましょう。

自己認識を深める

自分の価値観、強み・弱み、リーダーシップスタイルを理解し、言語化する。

視座を高める

経営会議への参加、異業種ネットワークとの交流、MBAなどでの学びを通じて「全社・社会視点」を養う。異動や海外赴任なども効果的です。

意思決定を経験する

小さな案件でも良いので、自ら判断し責任を取る経験を積む。

これらをコーチングやメンタリングで伴走されながら行うと、加速度的に成長が進みます。特に、内省と対話の習慣が能力開発を継続可能なものにします。

 

(4)経営人材になることのメリット・デメリット

経営人材になることにはメリットとデメリットがあります。

  • 【メリット】
  • ・企業の未来を描けるやりがい:自らの意思決定が組織の方向性を左右する責任と充実感。
  • ・社会に大きな影響を与えられる責任感:企業活動を通じて社会課題の解決に貢献できる。
  • ・自己成長の加速:多様な経験と挑戦を通じて、個人としても飛躍的に成長できる。
  • 【デメリット】
  • ・プレッシャーの大きさ:常に不確実性の中で意思決定を迫られる。
  • ・孤独感:最終的な判断は自分が下すしかなく、相談できる相手が限られる。
  • ・失敗の影響が大きい:一つの判断が企業全体に波及するため、失敗のリスクも大きい。

皆さんも「経営人材になることは魅力的だが、同時に覚悟が必要だ」と感じるのではないでしょうか。

4.まとめ

経営人材とは、「企業の未来を描き、実現に向けて行動する人」です。

重要なのは、役職や肩書ではなく、「経営者としての視座と覚悟」を持てるかどうか。

皆さんも日々の仕事の中で、次の問いを立ててみてください。

「この意思決定は、会社の未来にどんな影響を与えるだろうか?」

「今、私が育てるべき右腕は誰だろうか?」

経営人材は選ばれるものではなく、「なる」と決意した瞬間から始まります。

エグゼクティブコーチングを活用し、自身の内側からリーダーシップを磨いていきましょう。

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